FAX データ化では、OCRの読み取り結果をそのまま確定せず、注文書の項目を確認し、迷う箇所は原本と照合してから受注データにします。 手書きや薄い印字を推測で補わず、修正が必要な項目と確認待ちの項目を分けることが、誤った注文内容の登録を避ける基本です。

FAX注文書のデータ化でOCR後の確認が重要な理由

OCR後の確認が必要な理由

FAX注文書のデータ化は、受信した注文書を画像などのファイルとして取り込み、OCRで文字や項目を読み取り、結果を確認・修正して後続業務に渡す流れで考えます。受信方法やOCRの画面、出力形式は利用環境で異なるため、以下は確認工程の組み立て方として捉えてください。

具体例として、WisOCRシリーズではPDF・JPEG・PNG・TIFF形式の帳票ファイルをアップロードすると、OCRによる自動認識が行われます。基本手順は、帳票を登録し、認識完了後に一覧の開くから確認修正を開始、修正後に出力準備完了を選んでCSVを出力する流れです。これはサービスの操作例であり、すべてのFAX受信環境に同じ手順が当てはまるわけではありません。

確認工程の基本

OCRの結果は確定前の候補として扱います。原本と照合し、修正箇所と判断できない箇所を分けてから、次の担当者やシステムへ渡す流れにします。

OCR後に読み取り結果を確認する項目

確認する注文書の項目

確認項目は、OCR画面に表示される項目名だけで決めず、受注処理で使う注文書の情報に合わせます。WisOCR for 注文書・請求書の設定資料には、合計金額・注文日・希望納品日・注文書番号などのOCR認識項目が掲載されています。自社の帳票にある項目と、受注入力で必要な項目を並べて確認対象を決めましょう。

注文書の基本情報

取引先名、注文番号、注文日を原本と見比べます。取引先名の表記が似ている場合や、注文番号の英数字が読み取りにくい場合は、前後の数字だけで判断せず、注文書全体や取引先を特定できる情報と合わせて確認します。注文番号が後続の照会に使われる運用なら、ここを優先項目にします。

商品・数量・金額

商品名、数量、単価、金額は、入力を誤ると受注内容に影響する項目です。商品名の一部が判別できないときは、似た商品名から推測して登録せず、原本を見直す対象にします。単価や合計金額が帳票に記載されている場合は、商品・数量と一緒に照合し、項目がない帳票では無理に確認項目へ加えません。

納期・届け先・備考

希望納品日、届け先、自由記入欄も確認対象です。日付は数字の読み違いだけでなく、記載された項目名が希望納品日なのか注文日なのかも原本で確かめます。備考に納品条件や分納の指示があるのに判別できない場合は、入力を止めて確認待ちに分けます。

読み取りにくさが生じる箇所と原本の見方

読み取りにくい箇所

読み取りに迷いやすいのは、手書きの数字、薄い印字、文字が枠線や訂正線と重なった箇所などです。OCRの文字だけで確定せず、原本画像の同じ位置を開いて照合します。WisOCRシリーズの確認修正画面では、プレビュー画像・ズーム画像と認識結果を比較し、修正が必要な項目の値を修正できます。

Google Document AIでは、Documentデータに検出されたページ要素の信頼度(confidence)を含められます。また、OCRレスポンスはテキストをブロック・段落・トークン単位で扱い、設定によって記号単位の情報も取得できます。認識結果をどの範囲で点検するかを考える際の参考になりますが、信頼度や文字の細かさだけで注文内容を確定できるわけではありません。

Google Document AIの評価機能では、F1スコアを最大化する信頼度しきい値を自動計算し、既定値として設定します。GoogleのDocument AI人間参加型レビュー手順の例では、信頼度しきい値を設定し、担当者が結果を編集・確認して送信する操作が示されています。自社で確認対象を絞る場合も、どの項目を人が見るかを決め、曖昧な注文情報は原本照合へ回す運用が必要です。

推測で補わない

数字や文字を読み切れないときは、周辺の情報から値を決めつけず、確認待ちとして切り分けます。読み取りに迷いが残る項目を、未解決のまま確定データにしないことが重要です。

修正が必要な場合の流れ

修正が必要な場合

修正は、誤読した項目を特定し、原本で正しい値を確かめてから行います。WisOCRシリーズでは、確認修正画面でプレビュー画像・ズーム画像と認識結果を比較し、修正が必要な項目の値を直す手順が案内されています。画面上で値を変える前に、どの項目のどの文字が誤っているかを明確にすると、別の項目を誤修正するリスクを抑えやすくなります。

  • 誤りが疑われる項目を特定する
  • 原本画像の該当箇所を見て正しい値を判断する
  • 判別できる項目だけを修正し、判断できない項目は確認待ちにする
  • 修正した項目と、関連する数量・金額・納期などを再点検する
  • 注文書全体を見直してから、出力や後続工程へ進める

たとえば数量を修正した場合、数量欄だけでなく、同じ行の商品名や金額も原本と再照合します。修正後にCSVを出力する操作はWisOCRシリーズの基本手順に含まれますが、修正履歴を記録する機能の有無は確認した資料からは判断できません。履歴が必要な業務では、利用環境で記録できる範囲を確かめ、記録できない場合の代替方法も決めておきます。

原本とデータを照合する手順

原本とデータの照合

原本とOCR後のデータを照合するときは、まず同じ注文書同士を対応づけます。注文番号や取引先名など、自社で注文書を特定するために使う情報を手掛かりにし、別の注文書の原本を開いたまま照合しないようにします。

対応づけができたら、注文番号・注文日、商品名・数量、金額、納期・届け先・備考の順に、原本とデータを突き合わせます。帳票によって存在する項目は異なるため、記載のない欄を未入力の誤りと決めつけず、帳票の記載と受注業務で必要な項目を分けて見ます。

差異が見つかったら、原本を再確認して修正できるものと、担当者への問い合わせなどが必要なものに分けます。後者は確認待ちとして残し、未解決の項目を抱えた状態で注文データを確定しない運用にします。

照合の判断基準

原本とデータの対応づけができていること。注文書に記載された値とデータが一致していること。読み取れない項目や差異が残る場合は、修正または確認待ちとして扱うこと。

確認結果の記録・共有ルール

確認結果の共有

担当者が交代しても状況が分かるよう、確認済み・修正済み・確認待ちを区別します。状態名は既存の業務に合わせて決め、誰がどの項目を確認したか、次に誰が何をするかを一緒に残します。たとえば「納期は原本確認済み、届け先は判読できず営業担当へ確認中」のように、項目と対応状況を具体的に記録します。

WisOCRの帳票一覧では、ステータスによる検索とソート・フィルターで確認対象を絞り込めます。ただし、社内で決めた確認済み・修正済み・確認待ちという区分が、そのままサービス上のステータスとして使えるとは限りません。システムの表示と社内の共有ルールを混同せず、表計算ファイルや既存の管理方法を使う場合も、注文書を特定する情報と担当者、次の対応をひとまとまりにします。

注文番号:原本照合済み
商品・数量:確認済み
納期:原本と不一致のため修正済み
届け先:判読できず確認待ち
担当者:確認した人/次の対応担当者

OCR後の確認を含めたFAXデータ化の業務フロー

FAXデータ化の流れ

FAXの受信から後続工程への引き渡しまでを、受信・取り込み、OCR、結果確認、修正、原本照合、確定・出力の順に並べます。各工程の担当者と、読み取りが難しい場合の相談先を決めておくと、確認待ちの注文書が担当者間で止まるのを防ぎやすくなります。

  • 注文書を受信し、OCRに取り込むファイルを用意する
  • OCRの認識結果を項目ごとに確認する
  • 読めない箇所は原本を見て修正し、判断できなければ確認待ちにする
  • 修正後のデータを原本と再照合する
  • 確認が終わったデータを出力し、次の担当者や業務へ渡す

WisOCRシリーズでは、帳票ファイルのアップロード後に自動認識し、確認修正を経てCSVを出力する手順が案内されています。一方、FAXの受信方法、取り込み前のファイル作成、後続システムとの連携方法は利用環境によって異なります。まずは自社の流れに沿って、どの担当者が原本を確認するか、確認待ちを誰へ渡すか、確定後にどの形式で引き継ぐかを決めます。

まとめ

FAX データ化では、注文書の必要項目を確認し、読み取りに迷う箇所を原本と照合してから確定します。 手書きや不鮮明な文字を推測で埋めず、修正済みと確認待ちを分けることが、OCR後の確認を業務に組み込むポイントです。

次の一歩として、自社の注文書を見ながら、確認対象の項目、修正時の再点検範囲、確認結果の記録方法を決めましょう。取引先名・注文番号・数量・納期などを一覧にし、判断できない場合の相談先まで定めると、担当者ごとの確認のばらつきを抑えやすくなります。

akinAI 編集部

参考・出典